御影石(みかげいし)は、かたくて丈夫な石です。キッチンや洗面のカウンター、お店のテーブル、トイレの小便器の下の石などに使われています。「丈夫なはずなのに、シミが取れない」と気になる場合は、まずシミの種類と、現在の表面の状態を確認したいところです。実は御影石のシミには大きく3つの種類があり、種類によって落とし方がまったく変わります。まちがった方法でこすると、シミが広がったり、石の表面を傷めたりします。この記事では、シミの見分け方と、それぞれの正しい対処を順番に紹介します。
丈夫な御影石に、なぜシミができるの?
御影石はとてもかたい石ですが、よく見ると、白・黒・グレーの小さなつぶが集まってできています。つぶとつぶの間には、目に見えないほど小さなすき間があります。こぼれた油や水は、このすき間から石の中へしみこんでいきます。
例えば、かたいレンガでも、雨にぬれると色が濃くなりますよね。かたさと、水をすうかどうかは別の話なのです。御影石も同じで、「かたい=しみない」ではありません。傷にはとても強いけれど、しみこみには弱い。これが御影石の性格です。
御影石のシミは3種類

| 種類 | 見え方 | よくある原因 | 向いている対処 |
|---|---|---|---|
| 油ジミ | 暗く濃い色。ふちがぼんやり | 料理の油、ドレッシング、化粧品、手あか | 粉で吸い出す |
| サビ(黄変) | 黄色〜茶色。広がるように出る | 石の中の鉄分、金属の置きっぱなし、合わない洗剤 | 専用の処理。自分でこすらない |
| 水ジミ | ぬれたような暗い色 | 水をこぼしたまま、植木鉢やコップの置きっぱなし | よく乾かす |
見分けるときのヒントは、「数日、乾かしてみてどうなるか」です。水ジミなら、よく乾くと元の色に戻っていきます。戻らない暗い色なら油ジミ、黄色や茶色ならサビの可能性が高くなります。
油ジミは「粉で吸い出す」
油は石の中にしみこんでいるので、表面をこすっても取れません。ついて日が浅い油ジミなら、白くて細かい粉で吸い出せることがあります。
- 表面の油を、ペーパーで押さえて吸い取る(こすらない)
- ベビーパウダーやコーンスターチなど白い粉を、シミより広めにこんもりのせる
- ラップを軽くかぶせて一晩おく
- 粉を払い、固くしぼった布で拭く。薄くなっていれば2〜3回くり返す
何年も前の油ジミや、何回やっても変わらないシミは、専門のシミ抜きの領域です。考え方は大理石の油ジミと同じなので、大理石の油ジミ・コーヒージミの染み抜きもあわせて読んでみてください。
サビ(黄変)は、自分でこすらない
御影石が黄色っぽく、茶色っぽく変わってくることがあります。これは「黄変(おうへん)」と呼ばれ、多くは石の中にもともと入っている鉄分がさびたものです。水が長くしみこんだり、合わない洗剤を使ったりすると起きやすくなります。金属の缶やヘアピンを置きっぱなしにした「もらいサビ」のこともあります。
ここで気をつけたいのが、サビ取り用の強い洗剤を自分で使うことです。サビ取り剤には酸性のものが多く、石の表面のツヤを落としたり、別の変色を招いたりします。黄変は、石の状態を見て専用の処理をする領域と考えてください。表面に乗っているだけのもらいサビなら、もらいサビの落とし方の考え方が参考になります。
水ジミは「よく乾かす」
水ジミは、石が水をすって色が濃く見えている状態です。多くは、風通しをよくして数日乾かすと目立たなくなります。ドライヤーの熱を近くから当て続けるのは避けましょう。何日たっても戻らない場合は、水と一緒に汚れや油がしみこんでいる可能性があります。
御影石に使わないほうがいい洗剤
- 酸性の洗剤(クエン酸・酢・酸性のトイレ用洗剤):ツヤが落ちたり、石の一部がとけたりすることがあります
- 塩素系漂白剤:石の鉄分と反応して、黄変のきっかけになることがあります
- 研磨剤入りのクレンザー:磨き仕上げのツヤを落とします
ふだんの掃除は、石と仕上げの取扱説明に適合する洗剤・道具で行い、水分や洗剤分を残さないよう手入れします。洗剤の組み合わせの注意はクエン酸とハイターの記事、石の種類ごとの重曹の可否は石の汚れ落としと重曹の記事にまとめています。
例えば、白いスニーカーと同じです
白いスニーカーに泥がついたら、乾いてからブラシで落とせますよね。でも、油のシミは水洗いでは落ちないし、サビがついたら洗剤を選ばないとかえって広がります。同じ靴でも、汚れの種類で洗い方が変わる。御影石もまったく同じです。まず「何のシミか」を見分けることが、いちばんの近道です。
シミを「つくらない」ために
KPFは、施工できる面を薄い透明フィルムで覆い、日常の汚れや擦れへの対策を図る表面保護です。すべての傷・シミ・薬品・水分を防ぐものではなく、端部や継ぎ目からの影響にも注意が必要です。素材、既存の塗装、使用環境を確認して施工範囲とお手入れ方法をご案内します。 御影石でも油や水分の影響は仕上げや状態で異なります。付着物は早めに取り除き、フィルム表面と端部を確認します。透明な薄いフィルムでも、光沢・反射・手触りが変わる場合があります。実物サンプルを照明や見る角度を変えて確認してください。
すでにシミがある場合は、フィルムでは隠れません。シミ抜きや研磨で整えてから貼る流れをご提案しています。石の種類がはっきりしないときは、御影石・大理石・汚垂石・人工大理石の見分け方で確かめてみてください。
よくある質問
Q. 御影石に重曹は使えますか?
A. 水に溶かした重曹水で拭く使い方なら、ほとんどの御影石で問題ありません。ツヤのある面を粉で強くこするのは避けてください。
Q. 屋外の御影石(玄関や外構)のシミも同じですか?
A. 屋外は雨・コケ・排気ガスなど汚れの種類がちがいます。私たちがお手伝いしているのは、室内のカウンター・テーブル・洗面台・トイレの小便器の下の石などです。
Q. 黄変は、研磨で消えますか?
A. 表面近くの黄変は、研磨やシミ抜きで薄くなることがあります。石の奥まで進んでいる場合は、完全には戻らないこともあります。まずは写真で状態を見せてください。
まとめ:何のシミかを見分けてから動く
御影石のシミは、油ジミ・サビ(黄変)・水ジミの3種類です。油は粉で吸い出し、サビは自分でこすらず専門の処理へ、水ジミはよく乾かす。酸性・塩素系の洗剤と研磨剤入りのクレンザーは使わない。かたい御影石でも、しみこみには弱いことを覚えておくと、長くきれいに使えます。
お見積もりについて
費用は、石の大きさ・形、シミの状態(シミ抜きや研磨が必要か)によって変わります。石の全体と、気になるシミのアップの写真をお送りいただければ、対処の見立てと概算をご案内できます。現地確認・お見積もりは無料です。お問い合わせはこちらから。
